AWT BAR

AWT BAR
©Mandai Architects

AWT会期中の4日間限定で南青山にAWT BARがオープン。建築家・萬代基介が設計した特別な空間で、アーティストとコラボレーションしたオリジナルカクテルを提供。入場は、AWT PASSの提示を。(営業時間:18:00–24:00 / L.O. 23:30)

AWT BAR
港区南青山5-4-30
emergence aoyama complex 1F mosaic

About the Architect
萬代基介
萬代基介
小林久井
安瀬英雄「photogenic drawing」

カラフルなカクテルのレイヤーは光の三原色の再現。
それはまたゴッホの自画像『1887年夏』の画像から光の情報をヒストグラムに置き換えた色彩の積層描写。
「Photogenic Drawing」。古典的写真技法カロタイプの発明者・タルボットは、自身の技術を「光で絵を描く」ものとしてそう呼んだ。
光のドローイングで再現されたカクテルをお楽しみください。

Photogenic Drawing
展覧会情報
Photogenic Drawing
About the Artist
Red
川内倫子「M/E」

丸いグラスには、淡いブルーの液体に氷の塊が浮かんでいる。
それはアイスランドで見た氷河が溶けていく姿のようであり、俯瞰してみると宇宙から眺めている視線のようで、自分が巨人になった気がしてくる。
口に運ぶと、ふわりとした果実の甘みを感じる液体が身体を通過していく。かつて休火山の内部に入ったときに感じた、地球に包まれる感覚を思い出す。
地球の磁力と同じかたちをしたドライアップルを齧りながら、この星との繋がりに思いを巡らす。

M/E
展覧会情報
M/E
About the Artist
川内倫子
田村友一郎「N」

アルファベット「N」を起点にした2つの並行世界。表面は⼟星の第6衛星にして最⼤の衛星「タイタン」。太陽系において地球以外で唯⼀豊富な⼤気を持つ衛星であり、その⼤気の⼤部分は「窒素」で構成されている。その窒素にはアルファベットの「N」が元素記号として付される。窒素が充満する乾き切ったタイタンは⻩⾊を基調とした「N」の世界。いっぽうで「N」を⽇本語的にひっくり返せば「ヌエ」となる。夜に⿃の漢字で⽰される「鵺(ぬえ)」は、『平家物語』などに登場するサルの顔、タヌキの胴体、トラの⼿⾜、尾がヘビという夜な夜な都を騒がせた物の怪である。青色を基調としたもうひとつの世界は私たちが寝静まった夜に訪れる裏面の世界。決して混ざることのない2つの世界が出会う。そのテイストは果たして──

N
展覧会情報
N
About the Artist
田村友一郎
ミヤギフトシ「セレナーデ」

戦時下の東京、暗い部屋でシューベルトの「セレナーデ」を聴きながら時間を過ごしていたふたりの女性たち。部屋の外には桜の木があって、春になれば小さな池に花筏を作った。しかし戦況が悪くなり、ひとりは東京を去り故郷の新宮に帰ることを決める。彼女はお気に入りの香水「セレナーデ」を相手に託す。いつか再会することを誓い、ふたりは離れ離れになる。しかし、戦争が終わっても日々の暮らしに追われ手紙を書くこともできない。託された「セレナーデ」もなくなってしまった。もう製造されていないから、その香りは世界から消えたことになる。そのうちに、東京に残っていたひとりも沖縄に戻ることを決める。何年も時間が経って、彼女は筆を取る。また会いたい。それからまた長い年月の後、桜の季節。彼女の声がする。彼女は振り向く。鼻先に、懐かしいセレナーデの黄金色の香りを感じた。

セレナーデ
展覧会情報
セレナーデ
About the Artist
ミヤギフトシ
Photo by Takeshi Eiyama