AWT会期中の4日間限定で南青山にAWT BARがオープン。建築家・萬代基介が設計した特別な空間で、アーティストとコラボレーションしたオリジナルカクテルを提供。入場は、AWT PASSの提示を。(営業時間:18:00–24:00 / L.O. 23:30)
AWT BAR
港区南青山5-4-30
emergence aoyama complex 1F mosaic
AWT BARオリジナルカクテル 各1,000円(税込)
建築家
1980年神奈川県生まれ。2003年東京大学工学部建築学科卒業。2005年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。2005-11年石上純也建築設計事務所勤務。2012年萬代基介建築設計事務所設立。2012-15年横浜国立大学大学院Y-GSA設計助手。主な受賞にDSA空間デザイン大賞、JCDデザインアワード金賞、藤井厚二賞など。主な作品に「おしか番屋」(2016)「石巻の東屋」(2021)「椎葉邸」(2022)など。
カラフルなカクテルのレイヤーは光の三原色の再現。
それはまたゴッホの自画像『1887年夏』の画像から光の情報をヒストグラムに置き換えた色彩の積層描写。
「Photogenic Drawing」。古典的写真技法カロタイプの発明者・タルボットは、自身の技術を「光で絵を描く」ものとしてそう呼んだ。
光のドローイングで再現されたカクテルをお楽しみください。
KANA KAWANISHI GALLERY
「Photogenic Drawing」
東京都生まれ。
主な個展に「Synchronicity」(KANA KAWANISHI GALLERY、東京、2019年)、「姿なき存在の形」(KANA KAWANISHI GALLERY、東京、2016年)、「RED 2014 365」(SUNDAY、東京、2016年)など。
主なグループ展に「One Picture Manifesto」(KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京、2022年)、「大英博物館 常設作品展」(大英博物館、ロンドン、2019年)、「Body Politics: What Defines the Body?」(KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY、東京、2018年)、「記録と記憶|transcripts/memories」(KANA KAWANISHI GALLERY、東京、2015年)など。
2016年、自身初となる作品集『RED 2014 365』(TRADEMARK PUBLISHING、ドイツ)を刊行。主な作品収蔵に大英博物館、サンダース・コレクション(ハーレム、オランダ)。
丸いグラスには、淡いブルーの液体に氷の塊が浮かんでいる。
それはアイスランドで見た氷河が溶けていく姿のようであり、俯瞰してみると宇宙から眺めている視線のようで、自分が巨人になった気がしてくる。
口に運ぶと、ふわりとした果実の甘みを感じる液体が身体を通過していく。かつて休火山の内部に入ったときに感じた、地球に包まれる感覚を思い出す。
地球の磁力と同じかたちをしたドライアップルを齧りながら、この星との繋がりに思いを巡らす。
東京オペラシティ アートギャラリー
「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」
写真家
72年滋賀県に生まれる。2002年『うたたね』『花火』(リトルモア刊) の2冊で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。著作は他に『AILA』(05年)、『the eyes, the ears,』『Cui Cui』(共に05年)、『Illuminance』(11年、改訂版21年)、『あめつち』(13年)などがある。09年にICP(International Center of Photography)主催の第25回インフィニティ賞芸術部門受賞、13年に芸術選奨文部科学大臣新人賞(2012年度)を受賞。主な国内での個展は、「Cui Cui」(08年・ヴァンジ彫刻庭園美術館)、「照度 あめつち 影を見る」(12年・東京都写真美術館)、「川が私を受け入れてくれた」(16年・熊本市現代美術館)ほか多数。近刊に写真集『Des oiseaux』『Illuminance: The Tenth Anniversary Edition』『やまなみ』『橙が実るまで』(田尻久子との共著)がある。
アルファベット「N」を起点にした2つの並行世界。表面は⼟星の第6衛星にして最⼤の衛星「タイタン」。太陽系において地球以外で唯⼀豊富な⼤気を持つ衛星であり、その⼤気の⼤部分は「窒素」で構成されている。その窒素にはアルファベットの「N」が元素記号として付される。窒素が充満する乾き切ったタイタンは⻩⾊を基調とした「N」の世界。いっぽうで「N」を⽇本語的にひっくり返せば「ヌエ」となる。夜に⿃の漢字で⽰される「鵺(ぬえ)」は、『平家物語』などに登場するサルの顔、タヌキの胴体、トラの⼿⾜、尾がヘビという夜な夜な都を騒がせた物の怪である。青色を基調としたもうひとつの世界は私たちが寝静まった夜に訪れる裏面の世界。決して混ざることのない2つの世界が出会う。そのテイストは果たして──
KOTARO NUKAGA
「N」
1977年富山県生まれ、京都府在住。
既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手掛ける。作品は、写真、映像、インスタレーション、パフォーマンス、舞台まで多彩なメディアを横断し、土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで幅広い着想源から、現実と虚構を交差させつつ多層的な物語を構築する。それによりオリジナルの歴史や記憶には、新たな解釈が付与され、作品は時空を超えて現代的な意味が問われることになる。作品体系として、その多くがコミッションワークであり、近年では美術館のコレクションなども対象の事物として扱う。
戦時下の東京、暗い部屋でシューベルトの「セレナーデ」を聴きながら時間を過ごしていたふたりの女性たち。部屋の外には桜の木があって、春になれば小さな池に花筏を作った。しかし戦況が悪くなり、ひとりは東京を去り故郷の新宮に帰ることを決める。彼女はお気に入りの香水「セレナーデ」を相手に託す。いつか再会することを誓い、ふたりは離れ離れになる。しかし、戦争が終わっても日々の暮らしに追われ手紙を書くこともできない。託された「セレナーデ」もなくなってしまった。もう製造されていないから、その香りは世界から消えたことになる。そのうちに、東京に残っていたひとりも沖縄に戻ることを決める。何年も時間が経って、彼女は筆を取る。また会いたい。それからまた長い年月の後、桜の季節。彼女の声がする。彼女は振り向く。鼻先に、懐かしいセレナーデの黄金色の香りを感じた。
資生堂ギャラリー
「第八次椿会 ツバキカイ8 このあたらしい世界」
1981年沖縄県生まれ。東京都在住。主な個展に「In Order of Appearance」(miyagiya ON THE CORNER、沖縄、2021年)、「How Many Nights」(ギャラリー小柳、東京、2017年)、グループ展に「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界第」(資生堂ギャラリー、東京、2021年・2022年)、「ぎこちない会話への対応策―第三波フェミニズムの視点で」(金沢21世紀美術館、石川、2021年)などがある。また、著作に小説集『ディスタント』(2019年、河出書房新社)がある。