展覧会
それを故郷とせよ(手が届く)
10月29日–11月27日
写真や映像における事実と虚構、記録と表現の狭間にあるメディアそのものがはらむ批評性を捉えながら制作を行う石川卓磨。複数的な身体性を介して場所の立ち現れに関わる制作手法を展開する写真家の新津保建秀。近代主義的な美術史の言説を検証しながら、絵画でしか表現しえない感覚の論理を追求する松浦寿夫。日本画の領域で培われた技術や画材を咀嚼し、他者について想像することをひとつの主題とする松平莉奈。4名の作品を通して、眼と手のはたらきが隠喩やテクノロジーとして、主体に内面化されコミュニカティブな機構に絡めとられる現在の状況を前提としながら、絵画や写真などの制作過程において不可避的に直面する像と実体、眼差しと現れ、記憶と現前などのずれやせめぎ合いの帰結としての美術を提示する。