マーティン・ゲルマン x ジャン=フィリップ・ポーカン
フロー状態
—ランニングによるクリエイティビティとイノベーションの促進
2022年AWTオフィシャルパートナーOnのアジア太平洋地区マーケティング責任者であるジャン=フィリップ・ポーカンと、森美術館アジャンクト・キュレーターのマーティン・ゲルマンが、東京・原宿のOnフラグシップストアで対談を実施。ハーフマラソンに参加するほどのランニング愛好家であるゲルマンは、アートと身体運動の重なりについて、具体派からマシュー・バーニーやグイド・ヴァン・デル・ウェルヴェまで幅広いアーティストの制作プロセスを例に解説する。対するポーカンが、完全にリサイクルが可能な高性能ランニングシューズを提供するOnの革新的なサブスクリプションサービス「Cyclon™」を紹介すると、会話はアートにおけるサステナビリティの議題に発展する。ゲルマンはアートが本質的に所有されうるものであるか否かという疑問を投げかけつつ、森美術館の次回展(「私たちのエコロジー」)が、いかに世界のエネルギー、物質、文化の循環のエコロジーを反映しているか、森美術館自体の地域性とも関連付けながら説明した。
また、フロー・リサーチ・コレクティブの最高科学責任者であるマイケル・マンニーノ博士による、パフォーマンスにおいて最適な意識状態である「フロー状態」に関する短いプレゼンテーションも実施した。
マーティン・ゲルマン
ドイツ・ケルン拠点のキュレーター。国際芸術祭「あいち2022」ではキュラトリアル・アドバイザーを務め、2021年10月より森美術館アジャンクト・キュレーターを務める。森美術館では「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」(2023年)を共同企画、「MAMスクリーン017:ナンシー・ホルト、ロバート・スミッソン」(2022–23年)を企画、「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」(2021–22年)を片岡真実と共同企画。そのほか近年の企画に「オリバー・ラリック展」OCAT上海館(2022年、上海)、「トーマス・ルフ展」国立台湾美術館(2021年、台中)などがある。 2012年から2019年にわたりゲント市現代美術館の芸術部門を率い、コレクションやテーマに基づいた展覧会のほか、ラウル・デ・カイザー、ジャン・ペイリー、ヒワ・K、ゲルハルト・リヒター、マイケル・E・スミス、ナイリー・バグラミアン、ジェームス・ウェリング、リー・キット、ミヒャエル・ブーテ、ジョーダン・ウルフソン、レイチェル・ハリソンなどの個展を企画。「リリー・デュジュリー展:Folds In Time」(2016年)でベルギーの最も優れた展覧会に贈られるAICA賞を受賞した。 過去にはケストナー・ゲゼルシャフト(ハノーバー)でキュレーターを務め、ベルリン・ビエンナーレの第3回と第4回の企画にも携わる。多くの展覧会カタログや書籍を執筆し、『032c』『Frieze』『Mousse』などのアート専門雑誌にも寄稿している。
ジャン=フィリップ・ポーカン
ランニングに革命を起こすという目標を掲げて誕生したスイスのスポーツブランドOn のアジア太平洋地域のマーケティング責任者。ドイツのバイロイト大学でスポーツマネジメントのMBAを取得し、プロダクト、ビジネスモデル、およびストーリーテリングの観点から、スポーツの革新にフォーカスした活動を続けている。On は、AWT でも紹介された Cyclon サブスクリプション プログラムなど、スポーツウェアにおけるサスティナビリティの画期的なイノベーションをリードする。