無人島プロダクション

展覧会
展覧会

祭壇

小泉明郎《Animinimalの儀礼》2024年

小泉明郎は近年、催眠術と仮想現実を扱い、人間の認知システムの機械的な性質を利用して、機械と人間が融合するビジョンを創造してきた。次のステージとなる本展は、従来の映像表現とも異なり、身体の本質である物質性を問う実験となる。ポスト・インダストリックな雰囲気に包まれたギャラリー空間で、仏教寺院の仏像のように彫刻群が安置される。これらは日用品や家具、機械部品を人体とつなぎ合わせて構成され、同時に19世紀の催眠術の記録写真を基にしたコラージュや絵画も展示される。人間の身体は、資本主義によって商品化され、戦争によって物や死体の画像に変えられ、人種差別によって無関心な対象物になり、AIによってデータやパターンに変換される。こうした大きな力に対抗する挑戦は、物体や画像、パターンだけに還元されてはならない、生の経験の本質を取り戻すことにある。物に帰されてしまった身体の中で、私たちは豊かな人間性の空間をいかにして取り戻せるだろうか。

会場
会場

無人島プロダクション

  • B4
  • 錦糸町

墨田区江東橋5-10-5

03-6458-8225

2006年高円寺で開廊。清澄白河を経て、19年に現在の墨田区江東橋に移転。現代社会や歴史に対しての鋭い観察と考察を、表現を通して可視化する作家たちのマネジメントを行う。また、作品のコンセプトに応じてギャラリー外での展覧会企画も多数行う。作家のビジョンを紹介するため、書籍やDVDなどのプロダクトも多数制作している。取り扱い作家は八谷和彦、八木良太、Chim↑Pom from Smappa!Group、風間サチコ、臼井良平、朝海陽子、田口行弘、松田修、加藤翼、小泉明郎、荒木悠。

Photo by Kenji Morita. Courtesy MUJIN-TO Production.