保坂健二朗 × 藤村龍至

アートと都市の近未来 東京の近過去 1964 ー 2021 から考える

東京は、めまぐるしく変化し続けてきた一方で、中心と呼べるような強い都市像を持ちえない都市と言えるかもしれない。
1964年の東京五輪以後、東京は都市開発を本格化させた。特に「都市再開発法」(1969-)、「多心型都市構造」の計画(1982-)、バブル崩壊以降の経済的停滞を解消するための「都市再生特別措置法」(2002-)は、時代に適応した新しい姿を東京に与えてきたが、二度目の東京五輪を終えた2021年現在にはさらなる展望が必要だろう。
そうした東京の変化に、アートはどのように応答してきただろうか?「セゾン美術館」(1975-1999)や「東京都現代美術館」(1995-)、「森美術館」(2003-)などを震源地に展開された様々なアート・スペースの動きから近過去を振り返りつつ、アートと都市の近未来について二人が語り合う。

オンライントークプログラムは、オルタナティブなアート教育を担ってきた非営利のグループ、アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT]によって企画されています。

保坂健二朗

滋賀県立美術館ディレクター(館長)

1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程修了後、2000年より20年まで東京国立近代美術館(MOMAT)に学芸員として勤務、2021年より現職。MOMATで企画した主な展覧会に「フランシス・ベーコン展」(2013年)、「声ノマ全身詩人、吉増剛造展」(2016年)、「日本の家1945年以降の建築とくらし」(2017年)など。「Logical Emotion:Contemporary Art from Japan」(2014年、ハウス・コンストルクティヴ他)やウラジオストク・ビエンナーレ2022など国外でのキュレーションも行う。

photo: Keizo Kioku

藤村龍至

建築家

1976年東京生まれ。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。2005年よりRFA(藤村龍至建築設計事務所)主宰。2016年より東京藝術大学准教授。住宅、集合住宅、公共施設などの設計を手がけるほか、公共施設の老朽化と財政問題を背景とした住民参加型のシティマネジメントや、ニュータウンの活性化、中心市街地再開発などのデザインコーディネーターとして公共プロジェクトにも数多く携わる。

photo: Kenshu Shintsubo